ジャイロ総合コンサルティングの渋谷雄大です。
昨日は東京都内でミス防止研修というテーマで研修をさせていただきました。
ということで今日はミスが起こる原因についてです。
ミスは注意不足から起こる
ミスが発生する原因の多くは「ヒューマンエラー」です。
人がミスをするケースが大半だということです。
ではそのミスが起こる原因は当たり前ですが、注意不足がかなりの部分を占めますね。
注意のルール
注意にはいくつかの特性があります。その特性を知った上で対策を考えることがとても大切です。
【注意のルールその1】ひとつの事柄に集中すると、他は不注意になる。
【注意のルールその2】注意すればするほど、その範囲は狭まる。
【注意のルールその3】注意の総量は決まっている。
【注意のルールその4】眠くなると注意の総量は減少する。
【注意のルールその5】注意には、自ら集中する攻めの注意と、周囲から強制される受け身の注意とが存在する。
【注意のルールその6】視覚より聴覚で訴えかけた方が注意を引きやすい。
ひとつの事柄に集中すれば他は不注意になる
歩きスマホなんかが典型的な例でしょう。
スマホを操作している間は、他が手薄になるというのが注意のルールです。
人は本来、複数のことを同時に処理することが苦手です。
マルチタスクではなく、シングルタスクの方が効率が上がるというデータもあります。
わたしは大丈夫だ!と思わないことが大切です。
ミスが発生する原因の中に、自信過剰というものもあります。わたしだけは大丈夫。と思っている人ほどミスを犯した時の危険度は上がりやすいと言われていますので注意しておきましょう。
注意すればするほど、範囲は狭まる
近視眼的発想という言葉がありますが、集中すればするほど狭い範囲へのこだわりが強くなります。
職人さんなんかがその傾向に陥りますよね。
目の前の仕事に集中すると、そのほかのことには目も向けなくなってしまう。当然、集中すればそれだけ効率は上がりますので、効果は高くなりますが、一方で道を外しやすいというデメリットもでてきます。
集中する前に、どの方向に進むかを決めてからスタートさせましょう。
注意の総量は決まっている
人それぞれ注意の総量は決まっています。
1日の中で溜まっている注意の総量から分配していきます。
そしてその注意は、睡眠をとることでまた満タンにすることができます。
もちろんトレーニング次第で、注意の総量を増やすことは可能です。
そして使う、注意の量は興味の度合いで変わってきますね。
興味のあることへの取り組みは、少ない量で高い注意力を発揮できる。燃費が良い。
興味のないことへの取り組みは、多くの量が必要となる。アメ車。
眠くなると注意の総量は減少する
当然、普段生活しているだけで注意は減少していきます。
昼食後の昼下がりには、多くの注意が消費されてしまいます。
ですので、オススメは時間帯ごとに注意量の燃費を書いておくことです。
朝一はスタートなので、燃費が少なくて良い仕事ができる。
午後イチは、眠くなるので燃費が悪くなる。
ミスが起こりやすいのは、燃費が悪い時間帯です。
ですからそういう時は、ミスをしても損害が大きくならないような仕事をいれることです。
人は必ずミスをします。
ですからリスクが高い仕事とそうでない仕事を分けておいて、ミスしやすい時間帯にはリスクの低い仕事をいれるという発想も必要です。
受け身の注意と攻めの注意
注意には受け身と攻めが存在しています。
自分自身で決めた仕事にたいする注意。
人から強要された仕事に対する注意。
自分主体か、他者主体かによって注意力は変わってきます。
視覚よりも聴覚
電車の車掌さんが、点呼をしたり指差し確認をしていますね。
これが聴覚情報で注意を促す例ですね。
特に聴覚情報というのは受け身の場合に有効と言われています。
人は文書で指示されても、注意を払いにくいです。
一方で、声かけや声出しをすることで、注意レベルを上げることが可能となります。
注意力が低い人は、声出しや声かけを増やすことがとても大切です。
今やLINEやメッセンジャーなどで、打ち合わせをする時代でもありますが、受け身の相手に対しては電話や対面などの聴覚情報に訴えるツールを使った方が注意を促しやすいということです。
逆に、自ら仕事をこなす攻めの方はLINEやメール、メッセンジャーでも良いということです。
相手によって対応を変えることも必要ですね。
というように、注意にもポイントがあります。
そういったポイントを理解した上で、仕事をしていくことでミスを事前に防止することができるようになります。