ジャイロ総合コンサルティングの渋谷雄大です。
昨日は能代商工会議所でアイデア発想セミナーの講師としてお話しさせていただきましたよ。と言っても私の場合は、かっこいいパワーポイント資料をプロジェクタに投影して解説するという普通の事ができない人間です。
眼の前で聞いてくださっている受講者の状況に合わせて、解説する内容を即興で変えていくスタイルなのでテキストはほぼ使いません(と言ってもテキストは結構分厚く作りますし、それ自体で役立つ内容にさせてもらっています)。
せっかく交通費までいただいて講演に行っているわけですから、「ニュアンスの部分」をお話する必要があります。
紙資料は、一般論に近いものしか載せることはできません。もしくは手順などのテクニック部分。極端なことを言えば、講師がいなくても紙資料だけあれば良い可能性も高い。
そうではなくて講師がわざわざ行くメリットは、文章に表現しきれないようなニュアンスの説明ができること。
そしてこれが最も重要ですが、眼の前の受講者の環境や状況に合わせて話を調整することができるってこと。
これだけは紙資料にはやれないことです。
「これだったら講師必要ないじゃん」と言われたことありました
実は私も駆け出しの頃にこんなことを言われたことありました。
今から振り返れば、その時にはっきり指摘してもらったことがキッカケとなって、今の私がいるので感謝しています(きっと殆どの講師はそんなことを言われずに気がつくことができないでしょうし)。
作ったパワーポイント資料を順番に説明していた懐かしい頃です。
途中休憩時間に、「パワポ資料だけで良くない?あの先生の話は別にいいや。資料だけもらって帰ろうか?」って受講者同士が話しながらトイレに入ってくるではありませんか。
そこで一度は心は完全に折れました。
そこからパワポ資料の質は落としてはならない。けれどもそれよりも大切なことは「あの講師でないと駄目なんだよね。」と言ってもらえることが重要なんだと感じてからこのスタイルに変更。
おかげさまでその後はこのスタイルがハマったようで、これだったら講師必要ないじゃん。と言われたことはありません。
資料はあとから振り返るためのツール
私自身も講師の方々を教えることが増えてきました。その時にお伝えしていることは、資料の質はとても大切である。しかし資料の本当の目的は「あとから振り返った時に思い出せる復習ツールである」ということです。
そうなんですね。
資料というものは、その場で使われると言うよりは講師が話した内容を後日復習する時に活用するためのツールなんです。
そして受講者はわざわざ時間を取って講演会やセミナーに参加するわけですから、その時間の中に価値を組み込んでいく必要があるわけです。それはあとから読める資料ではなく、その場でしか伝えられないものを提供するんです。
それが講師の話ではなくても、例えば、受講者同士の意見交換なんかもその場でしか得られない価値です。だからグループワークをして意見交換してもらうこともとても価値はありますね。
その場でしか与えることができない価値というものを意識しながら講演やセミナーをすることで受講者の反応は見違えてくるはずです。
簡単・時短・満足化・個別化の4つを組み合わせることで価値を作る
価値というものは、
簡単(誰でも簡単にシックスパックになれる)
時短(5分でわかる時短クッキング)
のような効率化側面の価値と、
満足化(絶頂ヘッドスパ)
個別化(ひとりひとりの合わせた対応)
のような付加価値の側面があります。
このいずれかを踏まえて、サービス開発をしていくことが大切なのですが、私の講演の場合は完全に「簡単」&「個別化」という2つの価値を提供しています。
簡単:誰にでもできる方法しか教えません。地方の中小企業のオヤジたちを相手にしているわけなので難しい理論は不要です。
個別化:受講者に合わせた内容をその場でアレンジして対話します(時にはその場で資料を作ります)。
これは講師業でなくても、これらを組み合わせる、もしくは変化させることで新たなサービス開発につながっていきますのでおすすめです。
講座が終わっても帰らないのが満足度の証拠
昨日の能代商工会議所のセミナーですが、講座が終わってもみんな帰らずに話しているのですね。そういう終わり方ができるとみんなの満足度が高かった証拠です。アンケートを取るよりも講座終了後の反応を見れば一発です。
受講者のみなさんです!(化粧してないから次回にするわ、と言っていた女性陣たち除く)