日本にはネゴシエーションは不要だね!いままでは。

2018/12/19

ジャイロ総合コンサルティングの渋谷雄大です。

2日間にわたって実施されたネゴシエーション&コミニュケーション研修が昨日終わりました!

日本にネゴシエーションは不要?

毎年、ネゴシエーション研修を行なっているのですが、現実的なところで言えば、日本でネゴシエーションを行う場面って意外と少ないです。

というよりも、ほとんどの企業の社員の場合、ネゴシエーションしなくても充分に食べていけるからです。

ある意味妥協しても会社からは何も言われない。

一方、海外は真逆ですね。少しでも成績が悪くなれば、即解雇なども起こりうる環境。そういう環境であれば、妥協という文字は無くなりますね。

そうなんです。

日本ってネゴシエーションしなくても生きていける。

生きていけるのに、わざわざ自分自身にストレスをかけるようなネゴシエーションはしないんです。

もちろん会社の幹部や経営者の場合は別ですが、一般的な社員の場合、今までは必要なかったんですね。

これからはネゴシエーションは必須

ネゴシエーションって、今までよりも少しだけ踏ん張って、いままでよりも少しだけ良い結果につなげる取り組みです(少なくとも日本の場合)。

海外の映画みたいに逆転劇を演出するものではないです。

いままでは妥協していても何とかなっていた社員ですが、これからはやはり個人のスキルを身につけておかなければ社会に取り残される可能性が高くなっていきます。

そういう意味では、守られているとはいえ、今から自分自身でネゴシエーションスキルを習得し、今よりも少しだけ良い結果に結び付けられるようにチャレンジしていくことが求められています。

(問題は、妥協できる環境の中でチャレンジできるのか?という点ですけど)

ネゴシエーションの簡単な流れ

↓は昨日のネゴシエーション研修で板書したものです。

日本に入ってきているネゴシエーション理論の多くは海外産。

海外のネゴシエーション理論だと、どうしても日本の文化と若干異なるためそのまま適応させることが難しいです。

日本は、議論をする文化がないことです。
あとは阿吽の呼吸。空気を読む。行間を読む。あたりです。
なので議論を仕掛けても乗ってこないことが多いので、一般的なネゴスキルでは対応しきれないんです。

さきほどの写真は私がいつも教えている流れ(実際はネゴシエーション前の準備段階の流れ)です。

ちょっとだけ解説しますね。

認めて人間関係の基礎をつくる

認めるってことはとても大切です。
相手と敵対するのがネゴシエーションではありません。
お互いを認め、対等で協力関係にあることをしっかりと相手に理解していただくことがスタートになります。

指摘する・問題点に気づかせる

指摘するのではなく、問題点に気がついてもらえるような質問をしていくことが次に必要ですね。
たんなる価格面でのやり取りにならないように、相手の問題点をしっかりと理解し、気づかせる取り組みが必要です。

不安点の解消

不安には6つあります。
金の不安。価値の不安。心の不安。身体の不安。社会的不安。時の不安。です。

この6つの不安を探り当てて、解消していくことが重要です。

以上を4つの質問で深掘りする

SPIN法と呼ばれる、大型案件向けの質問手法がありますが、このような手法を使いながら相手の問題点を深掘りし、解決までもっていきます。

状況質問:現状の事実を確認する(事実を認識してもらう)
問題質問:愚痴の質問(なんとなく感じている不安や悩み、愚痴)
示唆質問:脅し・親友の質問(相手の本音を抉り出して問題の大きさを実感してもらう)
解決質問:解決するメリットと解決後の未来を想像させる質問

このような質問を繰り返しながら、価格面以外の解決案を共に考えていくようにするんですね。

最上の策はネゴシエーションに持ち込まないこと

そしてとても大切なことは、そもそもネゴシエーションに持ち込まないようにすることです。

ネゴシエーションをする必要がないように日頃から取引先との関係性を維持するだけではなく、相手から一目置かれるような立ち位置にいること。

それが今求められていることです。


日本にはネゴシエーションは不要だね!いままでは。

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