不確実だからこそ創業者は面白い!!

2018/12/16

ジャイロ総合コンサルティングの渋谷雄大です。

先週の木曜日、金曜日は、日本商工会議所主催の「創業支援担当者研修会」の講師として登壇させていただきました。

この研修は日本全国の商工会議所に勤務している経営指導員、職員を対象にした研修でして、2012年から毎年講師としてお話しさせていただいているものです。

一般の経営指導と創業者に対する指導は根本的に別物で考えるべきものなのですが、どうしても同じような対応をしてしまう傾向にあります。

しかしすでに事業を持っている企業と、資源も能力もまだまだ未知数である創業者では、経営戦略の立て方、競合企業との戦い方など同じはずがないんです。

何が「強み」なのかすら自分自身では把握できていません。
当然ですがまだビジネスを始めていないわけですから、実際にそれがお客様から強みであると認識されるかどうかはわからないわけです。

創業者がどれほど強みだと思いこんでも、お客様に認識されなければ強みでも何でもありません。

ですから、強みを磨こう!と言われても、その強みがお客様に受け入れられる強みなのか?がわからないわけです。

創業希望者がまずやることは計画ではなく実験

まず創業希望者がやることは実験です。
ほんとうに今、頭で考えていることが正しいのか?ズレはないのか?もっと別の方向性はないのか?

そういった、頭の中だけで考えている仮説を実験しながら検証していくことが最優先です。

頭の中だけで作った事業計画のほとんどが絵空事の計画です。
なにせ作った本人自身が、イメージも湧かずに、周囲に勧められるまま作ったものですから。数字もつじつま合わせ。

つじつまを合わせないこと

専門家が数字の辻褄合わせをおこなうことが多いです。
しかし辻褄が合わないことこそ、検証が必要です。

なぜ辻褄が合わないのか?
現実との乖離がここにあるわけです。

しかし実験&仮説検証をしていないと、辻褄が合っていないことにすら気がつくことができずにそのまま創業してしまうわけです。

無店舗型のビジネスでしたらまだ良いですが、店舗型の場合、客数の見込みや回転数などを計算して店舗の広さや原材料の仕入れを行います。
創業してからの辻褄合わせはとても難しい。

いいですか。

創業前に考えていることの大半は机上の空論です。

今の時代、机上の空論で創業することほど危険なことはありません。

まずは実験を繰り返しながら、本当の自分自身のビジネスモデルが成立するのか?を見極めつつ、辻褄が合わないところに目を向けていってください。

資産がないからできる

既存事業者の場合、すでにさまざまな資産がある状態です。
顧客、商品、販路、従業員、店舗、事務所などです。

ですからある程度、未来を予測することが可能です。

逆に創業者はこれらの資産はほとんどない状態です。
未来が全く読めない状況です。

逆を考えれば、資産がないからこそ様々なことにチャレンジすることができるんです。
コンサルタントの中には「確実性が低いからやめておいた方が良い。」とアドバイスする方もいます。

しかし確実性が低いからこそ、ハマった時には大きな成長が見込めるわけです。
確実性が低いからやめるのではなく、確実性が低いから、そのほかのビジネスを組み合わせながらリスク分散を図ること、開業費用を抑えてハマらなかった時にリスクを最小限にしておくこと。

などのアドバイスが必要なんです。

そもそもゼロからスタートするのが創業者です。
確実性なんていうものは、元々がとても低い。

だからこそれを否定するのではなく、私たちコンサルタントは、その可能性を広げるために全力を持って信じてサポートしていくことが大切です。


不確実だからこそ創業者は面白い!!

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