創業のハードルを上げるのは仕事ではない

2018/10/16

ジャイロ総合コンサルティングの渋谷雄大です。

今日の夜は山形でこんなセミナーをさせていただきます。

YAMAGATA ビジネス博「若者創業者育成キャンプ 」開催のお知らせ

山形県の若者が集まり創業者となるためのセミナーです。

今日はそのプレセミナーということで1時間の登壇となります。

創業のハードル上げすぎでしょ

10年以上創業塾や創業セミナーの講師をしていますが、思うところがあります。

それは「創業のハードル上げているのは大人たち」ってことです。

中小企業診断士(私を含む)や金融機関、商工会や商工会議所は、創業者のビジネスプランの重箱の隅を突くことで創業者のハードルを高めている可能性がある。

もちろん数千万円規模の投資が必要となるような創業ビジネスについては、私も厳しくアドバイスをします。

しかし、数百万円規模の創業に対して、そんなビジネスプランでは成功しない。もっと市場調査をしなさい。創業はそんなに甘くないんだ。などとアドバイスという名の自己満足アドバイスが飛び出すわけです。

【リスクが高い】なんて誰にでも言えます。逆にリスクのない事業があるのか?
【もっと考えなさい】いやいや。考えた上でアドバイス求めているんではないの?ヒントくらいあげたら?
【それはよく分からないね】理解する努力しようよ。
【そのビジネスプランじゃ難しいよ】どこの部分?
【やめときな】投げやり過ぎ
【もっと検討したほうが良いよ】何を?

正直に言えば、数百万円の失敗は本気で覚悟すれば取り返すことは可能です。
そして最も大切なことが、失敗せずに成功した人は、長期的にみると失敗する可能性が高まるというデータ(海外の経営分析論には出てきます)があるということ。

たしかに失敗しないのが一番なのかも知れません。
しかし失敗からしか人は学ぶことはできません。そしてそれは本人が体験するしか手がないんです。

私の場合はこう考えます。

もし仮に失敗しそうなビジネスだと思った時に、もっとも失敗した時にリスクが少ない方法を提案します。
「創業自体をやめたほうが良いよ」というアドバイスをする方もいるようですが、それはアドバイスした側自身の責任回避としか思えない発言です。では100%創業が失敗するのか?その失敗の後に成功する可能性はないのか?(今成功している経営者って一度は大きく事業で失敗しているケースは多いです)。

創業を止めるということは、その先に待っているかも知れない可能性を、他人が引き抜いているだけ。
人は権威(偉そうな人や知識人)の意見を聞いてしまうものです。中小企業診断士などの専門家がアドバイスすれば気持ちが揺らぐのはあたりまえ。

判断は創業したい人に任せる

ですので私の場合、創業のリスクとメリット、そして、最もリスクの低い創業の方法をアドバイスするに留めます。
「やったほうが良い」とか「やめたほうが良い」という判断(決断)は一切匂わせないようにしています。

そうやって創業したい人にとって必要な情報を伝えます。

創業希望者の最初の決断は、創業するか?創業を思い留まるか?を選ぶことだと思っています。

その決断を、他者が手伝って絶対にいけないんです。

決断することが経営者の仕事。
決断しやすいように整えるのが私たちの仕事なんです。

事業の主体はあくまでも本人。
そして事業を成功に導くのも、失敗させるのもひとえに経営者の手腕にかかっています。
ビジネスプランだけで成否が決まるものではないということを日々念頭に置いてコンサルや創業塾をさせてもらっています。


創業のハードルを上げるのは仕事ではない

ツイート シェア LINEで送る