暗号化したZipファイルとパスワード別送の無意味さと労働生産性向上

2019/1/19

ジャイロ総合コンサルティングの渋谷雄大です。

昨日は、米子商工会議所で販売力拡充研修(2回シリーズ)の1日目を行ってきました。

この研修は国が課題として掲げている労働生産性向上を目的とした研修なのですが、そもそも生産性向上って言われてもイメージがつかない人が多いのではないでしょうか。

労働生産性って要するに「1人が1時間で生み出す成果」のことです。

1日あたりGDPは、世界で25位とかなり低い状況です。
GDP(国内総生産)は3位なのにです。

要するにこれは、人口の多さでカバーしているだけで、実際のひとりひとりの労働生産性は低いということです。

ただし日本人は働き者の印象です。サボっている印象はないです。みんな全力で働いていますよね。

でも世界で見れば25位。

答えはたったひとつですね。努力の方向が間違っているということです。

例えばです。

メール添付ファイルのZIPパスワード化問題

これです。↓↓

昔ながらの大企業や行政機関等が、この仕組をいまだに使っているところは多いです。

添付ファイルとパスワードとを別で送信する。というものです。

実は先日気がついたのですが、Gmailで受信しているのですが、この仕組で届いたメールには「信頼できないファイル」と警告が毎回出ます。

要するにウィルススキャンができないので、信頼できないということなんです。

実際に添付された暗号化ファイルがウィルスに感染しているというケースはありえるためセキュリティ上、本来の目的からは外れているように感じます。

また「メールの誤送信防止」という意見もありますが、これも自動化しているため、同じメールアドレスに自動で送られてしまうためやはりあまり意味をなさなくなっている。

昔から行われてきた方法のため、これが当たり前化してしまっている。

日本の労働生産性向上を目指すのであれば、このような形骸化した仕組みを見直していくことが非常に重要なんです。

FAX文化

アメリカのスミソニアン博物館には、産業遺産としてFAXが展示されているそうです。

そうです。

日本以外の国では、ほとんどFAXは使われなくなっている。
ただし、金融機関や一部行政では使われているみたいです。

先日、日系ブラジル人の経営者と会話をしたのですが、その際に、FAXで海外に資料を送ろうとしても相手はFAXなんて盛っていない。そして聞かれるそうです。「そこは本当に日本ですか?」って。

一応の先進国である日本でFAXが普通に使われている事実に、驚かれるそうなんです。

これだって日本人が昔から使っていたから、継続しているだけで、労働生産性向上には大きなマイナス材料になっていいるかも知れません。

手段の目的化

昨年のニュースで茨城県庁の改革で99.1%が電子決済化した、という話が話題になりました。

でも実際は。

ハンコ消えた?茨城県の改革に賛否 「実態は紙のまま」

https://www.asahi.com/articles/ASLB56R3KLB5UJHB01P.html

現場の協力が得られないため、結局、紙のままらしいです。

日本は人口が減少するんだよ!

いままでは人口の数でGDPをカバーしてきたのが日本の構造。

ひとりひとりの力は弱いけれど、みんなで頑張って全体を引き上げてきた。という構図です。

でもよく考えてみてほしいんです。

これから人口は減少していくんです。

高齢化の推移

平成30年版高齢社会白書より

2055年には、日本の人口は1億人を切ります。
しかも高齢化比率も急激の上昇してくわけです。

数の力で勝負することは難しいのは、誰が見てもわかります。

みんなで頑張る時代から、ひとりひとりが努力する方向を見つめ直して自立することが必要なんです。

そういう意味で、前述したような過去の遺産みたいなものを丁寧に整理して、方法論を議論していく必要があるのではないでしょうか。

本当は意味のない仕事って山のようにあります。その意味のない仕事を減らして、本当に労働生産性が高まるような仕事をやっていく。

それが今やるべきことなんだと思います。


暗号化したZipファイルとパスワード別送の無意味さと労働生産性向上

ツイート シェア LINEで送る