昨日は群馬県みなかみ町商工会で創業塾の最終日を担当してきました!
走馬灯ってありますよね。
人間が最後にみる人生の総括動画みたいなものです。
では走馬灯に流れてくる映像ってどんなものだと思いますか?
それは「無意味な思い出」がかなり多くを占めると思うんです。
無意味という言葉には、楽しさとか肩の力が抜けている印象があります。
逆に意味をもつものって、堅苦しくて、肩肘をはっている印象があります。
どう考えても、私が子供の頃に悪さをしてむちゃくちゃ怒られたシーン。子供の頃に聖闘士星矢のクロスを段ボールで作っていたシーン。地元神奈川でたまたま見つけた大月というところに思いつきでチャリンコで向かおうとして途中でこけて血まみれになった思い出とか、前職の会社が倒産して債権者集会で誤っているシーン。とかそんなものばかりが思い浮かぶんだと思うんです。
人の記憶に残るのは、意味のある情報よりも無意味な情報なんです。
ビジネスには「役に立つ」と「面白い」の両方の要素が必要なんですね。
うんこ漢字ドリルは「ドリル」というつまらないけれど役に立つ側面に、小学生にとっての最強ワード「うんこ」が合体したから大ヒットしたわけです。
ドリルだけだとみんな続かない。
うんこだけだと単なるうんこなので価値はない。
だからうんこ×ドリル=最強うんこのドリルになったわけです。
残念ながら、意味のあるものだけで勝負できる時代はすでに終わっているんですね。
例えば、無農薬や減塩、形の良いもの、高品質、低価格、などはすべて役に立つという切り口です。
これを追求していくとどうなるか?
過剰品質や過剰競争に行き着きます。
これを差別化というのですが、すでに差別化には限界がきているわけです。
実際、経営学上(欧米の)でも自らの能力(強み)を磨いて戦う方法には限界がきているという方向性になっているくらいです。
これだけ差別化をしまくれば、お客様にとって不要な品質レベルに至っている商品も多いわけです。
価値をたかめることに、そろそろ価値がなくなっているということに気がつかないといけません。
そこで必要になってくるのが「面白い」という切り口です。
面白さというものは、一見すると不要なものかもしれないけれど、それがあることで面白み、楽しさ、安心感、などの要素が加わる人生を少しだけほっこりさせることができる要素です。
機能的な側面の強化には限界がありますが、感情面に訴えかけることには限界はありません。
昔の子供も今の子供も「うんこ」といえばみんな爆笑します。
そして「うんこ」を付けることには学習効果の面からは何の意味もありません。
しかし面白いという観点が加わることで、子供自らが、面白いものに興味を持ち自らドリルに取り組むという人生を少しほっこりさせることができたわけです。
意味ばかりを追求しても、人は疲れ果てていくだけです。
そこに無意味な役に立つをエッセンスとして加えることが、今のお客様が期待していることなのではないでしょうか?
ぜひ2つの切り口であなたの商品やサービスを見直してみてくださいね。
全8回にわたって開催された山形県新庄での経営革新塾が昨日で終了しました!
少人数の講座ではありましたが、個別相談会で全員に新しいビジネスアイデアをお伝えさせていただき、最終回の昨日は全員素晴らしい内容のビジネスモデルを披露していただきました。
あとは実践のみ。
今回のように全8回を担当させていただくのはかなりレア講座となります。
おかげさまでここ最近は数カ月先まで講演やセミナーのご依頼で埋まってしまっておりますが、山形県の商工会さまとはとても長いお付き合いで、私自身が新人の頃からお世話になっていることもありぜひぜひとお引き受けさせてもらっています。
せっかく、8回全講座を担当させてもらったので皆様にしっかりと実践してもらうべく、毎回全力でお伝えさせていただきました。
今回の全8回講座を通じて感じたことは「品質の高い商品やサービスを作る」ということに意識の大半が向いているということです。
まず良い商品や良いサービスを作ろう!という発想が前半の講座では強かった。
でも今必要なことは、「誰かにとって必要な商品は何か?」から考えることが必要です。
例えば、同じ山形牛や米沢牛であっても、山形県内で売られる価格と東京の銀座三越で販売される価格では、全く同じ商品であっても売価は数倍変わります。
誰に売るか?という発想からスタートすることで、同じ商品であっても価値は大きく変わることが多いわけです。
今回の講座でも、そもそも以前売れなかった商品があって、それが売れなかった理由が「売る相手を間違えていた」だけだったわけです。だったら新たに商品やサービスを考える必要はなく、今ある商品を誰に売れば良いのか?をまずは出発点に置くこと。
その上で、銀座三越の山形牛と同じパッケージで売っても三越ブランドが付いているので勝てません。
だとしたら銀座三越と切り口を変えて、同じ客層に売れないか?という商品のアレンジが生まれます。
頭では「商品を作っただけでは売れない」ということくらいみんな分かっています。
しかし頭で分かっているのと、実際にそう動けるのとでは全く別の話です。
今まで商品を作れば売れる時代を生きてきた中で、実際に発想を変えるのはとても難しく、そういう意味でも今回の8回講座はしつこくこのテーマに沿って話をしたので最期の講座ではみなさまおぼろげながら発想転換につながっていったように感じます。
みなさんが今持っている商品やサービスが悪いわけではありません。
それが誰にとって必要なのか?をよく考えることが今の時代の経営革新なんです。
昨日は能代商工会議所でアイデア発想セミナーの講師としてお話しさせていただきましたよ。と言っても私の場合は、かっこいいパワーポイント資料をプロジェクタに投影して解説するという普通の事ができない人間です。
眼の前で聞いてくださっている受講者の状況に合わせて、解説する内容を即興で変えていくスタイルなのでテキストはほぼ使いません(と言ってもテキストは結構分厚く作りますし、それ自体で役立つ内容にさせてもらっています)。
せっかく交通費までいただいて講演に行っているわけですから、「ニュアンスの部分」をお話する必要があります。
紙資料は、一般論に近いものしか載せることはできません。もしくは手順などのテクニック部分。極端なことを言えば、講師がいなくても紙資料だけあれば良い可能性も高い。
そうではなくて講師がわざわざ行くメリットは、文章に表現しきれないようなニュアンスの説明ができること。
そしてこれが最も重要ですが、眼の前の受講者の環境や状況に合わせて話を調整することができるってこと。
これだけは紙資料にはやれないことです。
実は私も駆け出しの頃にこんなことを言われたことありました。
今から振り返れば、その時にはっきり指摘してもらったことがキッカケとなって、今の私がいるので感謝しています(きっと殆どの講師はそんなことを言われずに気がつくことができないでしょうし)。
作ったパワーポイント資料を順番に説明していた懐かしい頃です。
途中休憩時間に、「パワポ資料だけで良くない?あの先生の話は別にいいや。資料だけもらって帰ろうか?」って受講者同士が話しながらトイレに入ってくるではありませんか。
そこで一度は心は完全に折れました。
そこからパワポ資料の質は落としてはならない。けれどもそれよりも大切なことは「あの講師でないと駄目なんだよね。」と言ってもらえることが重要なんだと感じてからこのスタイルに変更。
おかげさまでその後はこのスタイルがハマったようで、これだったら講師必要ないじゃん。と言われたことはありません。
私自身も講師の方々を教えることが増えてきました。その時にお伝えしていることは、資料の質はとても大切である。しかし資料の本当の目的は「あとから振り返った時に思い出せる復習ツールである」ということです。
そうなんですね。
資料というものは、その場で使われると言うよりは講師が話した内容を後日復習する時に活用するためのツールなんです。
そして受講者はわざわざ時間を取って講演会やセミナーに参加するわけですから、その時間の中に価値を組み込んでいく必要があるわけです。それはあとから読める資料ではなく、その場でしか伝えられないものを提供するんです。
それが講師の話ではなくても、例えば、受講者同士の意見交換なんかもその場でしか得られない価値です。だからグループワークをして意見交換してもらうこともとても価値はありますね。
その場でしか与えることができない価値というものを意識しながら講演やセミナーをすることで受講者の反応は見違えてくるはずです。
価値というものは、
簡単(誰でも簡単にシックスパックになれる)
時短(5分でわかる時短クッキング)
のような効率化側面の価値と、
満足化(絶頂ヘッドスパ)
個別化(ひとりひとりの合わせた対応)
のような付加価値の側面があります。
このいずれかを踏まえて、サービス開発をしていくことが大切なのですが、私の講演の場合は完全に「簡単」&「個別化」という2つの価値を提供しています。
簡単:誰にでもできる方法しか教えません。地方の中小企業のオヤジたちを相手にしているわけなので難しい理論は不要です。
個別化:受講者に合わせた内容をその場でアレンジして対話します(時にはその場で資料を作ります)。
これは講師業でなくても、これらを組み合わせる、もしくは変化させることで新たなサービス開発につながっていきますのでおすすめです。
昨日の能代商工会議所のセミナーですが、講座が終わってもみんな帰らずに話しているのですね。そういう終わり方ができるとみんなの満足度が高かった証拠です。アンケートを取るよりも講座終了後の反応を見れば一発です。
受講者のみなさんです!(化粧してないから次回にするわ、と言っていた女性陣たち除く)
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今日は中小企業振興公社主催の商人大学校の講師として「アナログを中心とした販売促進」をテーマにお話しさせていただきます。
東京都中小企業振興公社「商人大学校」開催のお知らせ | セミナー・研修・コンサルティングのジャイロ総合コンサルティング
その前に東京の丸の内で一件打ち合わせ。
上の写真の芸術作品を見てどう感じますか?
ホワイトタイガー?でしょうか。
お洒落なオフィス街に鎮座しているホワイトタイガーということで、どことなく威厳のある像に見えました。
完全に雰囲気コミコミです。
この像がもし全く別の田舎の神社に置いてあったら、ちょっと変わった狛犬と感じるでしょう。
多くの商品やサービスは、商品そのものの価値以上に、その周りの雰囲気(空気)に価値が左右されます。
これを広告業界では「シズル」とか言うわけです。
人は雰囲気にお金を払います。
例えば、全く同じ内容の講演会でも、著名人と無名の人では支払われる金額は雲泥の差となります。
話の内容にお金を払うのではなく、その話し手の権威に対してお金を払うわけです。
権威なんてものは、お金を払う側にとっては何のメリットもないはずですが、それが安心感や信頼感につながり高いお金を払う意欲へ結びついていくわけです。
人は雰囲気のお金を払います。
例えば、なにかを販売する営業マンでも、服装が違うだけで信頼感は大きく変わります。
スーツにシワが付いていて、髪の毛にはフケが。。。
どんなに本人は優秀な営業マンであっても(そもそも優秀な営業マンはそんなことはしませんが)、お客様にとっての価値は大きく下がってしまうでしょう。
なので商売をしていくうえで「雰囲気」はとても大切な要素と言えます。
同じ商品であっても、雰囲気を変えるだけで、販売価格は変わります。
そして売れているお店は、この雰囲気づくりがとても上手なのです。
あなたは狛犬?それともホワイトタイガーですか?
]]>今日から2日間。横浜の企業向けに営業交渉術研修です!
毎年ハードな内容になるので気合を入れています。
何でもかんでも差別化と言いますが、実は差別化病に陥っている人も多いです。
人との違いを出そうと、世の中とは全く違うものを考える。
でも違いを出しすぎると人は近寄らなくなる可能性もあります。
日本人は、人と少しだけ違う。っていうのが好きなんです。
iPhoneはみんなと同じ。
だけど、カバーや待受画像でちょこっと差別化するわけです。
日本に全く入ってこないようなスマホは買わないです。
マスコミに取り上げられないような、見ず知らずのものにはチャレンジしません。
そういう意味で、世の中に全くないような切り口の差別化はリスクが高いんです。
差別化しよう!差別化しよう!という声にいつのまにか振り回されて、人との違いを出すことだけに終始しているケースが多い。
人と同じでも全然良いんです。
ほとんど同じだけど、少しだけ違う。くらいが実は1番良かったりします。
目立つ事例の多くは、大きな差別化です(じゃないとメディアやSNSで話題になりませんから)。
でも実際にはちょこっと差別化でもしっかり売れている会社はたくさんあるということは忘れないようにしましょう。
ちょっとだけ差別化も意外と売れるという話でした。
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