昨日から日本商工会議所主催の「創業支援担当者研修会」の講師として登壇させてもらっています。
この研修は日本全国にある商工会議所の経営指導員や起業支援をしている職員の方々に集まっていただいて、より効果が上がるような創業・起業支援の方法をお伝えするものなんです。
だから元々、経営指導やら起業指導やらを行なっている方々ですので、内容もそうですがとってもハードルが高い研修のひとつなので、毎年、かなり緊張しながら担当しているものです。
昨日は創業支援を10年以上おこなってきた立場から、今必要な創業支援のポイントについて解説させていただきました。
商工会議所っていうとどんなイメージですか?
もしかしたらはじめて聞く方もいらっしゃるのかもしれません。
あとは簿記検定などもやっているので、簿記検定の印象かもしれませんね。
ということで今の人たちがどの程度、商工会議所を知っているのか、アンケートを取ってみたんです。(Twitter)
明日、明後日は1年で1番ハードな研修
全国の商工会議所の経営指導員が一同に介す研修よ。
毎年、そこで経営と起業について教えているのよ。
みんなプロだからその方達に教えるのは毎年刺激的なの。
あっ。商工会議所って知ってる?
あとリプ欄にできれば印象教えてもらえない?明日使いたいの— たけひろおもしろいだけではない社長 (@kukkin999) December 12, 2018
しらない(20%)
会員(10%)
相談には行ったことがある(9%)
知っているけれど内容はわからない(61%)
こんな結果になりました。
実はもっと「知らない」の比率が高いのかと想像していたのですが(学生や主婦などの経営者以外も多いTwitterなので)、意外と認知度はあるってことがわかりました。
問題は、内容がほとんど伝わっていないことなんだということが見えてきました。
だとすれば、商工会議所で何をやっているのか?がもっともっとわかりやすく身近な存在になれば、商工会議所というものの存在をもっともっと広げることは可能なのかもしれません。
商工会議所は今後、新しい経営者層を獲得していく必要があります。
若手の経営者やネット起業家、主婦起業家などとの連携や会員化などが必要不可欠ですが、なかなかその層に情報が行き届いていないのが現状です。
で、色々と考えてみると、やっぱり「商工会議所」という名称そのものに課題がありそうなんですね。
一言で言えば、難しそう。怖そう。役所みたい。です。
と思っていたら、大分のぱんださんから「ショコタン」という案が!!
商工会議所って言葉がねぇ。
なんか、カタイわァ今から「ショコタン」行ってきマース
ぐらいだといいかも
— パンダさん@ぜっちゅ科進化系 (@panda_zecchu) December 13, 2018
「ちょっとショコタンに行ってくる。」
なかなかに可愛らしいネーミング!!
一気に商工会議所が身近になりました。
ネーミングの力というものは絶大で、商品名を変えただけで売上を大幅に伸ばした商品は山のように存在します。
ターゲットに合わせて、ネーミングを分かりやすくするのはありです。
そのほかには「創業」という言葉。
正直いうと、創業って少し規模の大きな会社を作る。硬めの印象。
それよりも「起業」っていう言葉の方が今の時代に合った印象。
起業にするのか?創業にするのか?
それはどんな人に相談に来て欲しいのか?によって変えていかなければならないわけです。
何でもかんでも創業ではない。
だからといって何でもかんでも起業でもない。
だれに来て欲しいのか?というところを考えて、ひとつひとつの名称に工夫を凝らしていく。
そんな小さな積み重ねをしていくだけでも、充分新しい客層の相談は増えていくのではないでしょうか?
]]>昨日はYAMAGATAビジネス博「若者創業者育成キャンプ」の初日講師としてお話しさせていただきました。
これから創業したいと考えている若者たち(気持ち若者も含む)20数名の方々に失敗しない創業について3時間お話してきましたよ。
失敗しない創業をお話するには、逆に、失敗する4つの類型を学んでいくことってとても大切です。
では潰れる会社の4つの条件とはなんでしょうか?
これは地震など自社の外でおこるリスクのことです。このリスク自体の回避はとてもむずかしいですが対策はあります。
それはリスクを分散しておくことです。
例えば、店舗だけをもしやっていたら?地震などで営業できなくなったら終わりです。ですからネットショップや催事販売など複数の売り方を持っておくことで、どこかの売り方が駄目になってもほかで耐え抜くことができます。
それは取引先なんかも同じですね。少数の取引先とだけ商売をしていればそれだけリスクは大きくなります。
今の時代はどんな外部要因にさらされるか分かりません。ですからリスク分散は必須でしょう。
次に起こり得るのが、社内の不正やトラブルがキッカケとなって潰れるリスクです。いわゆるガバナンスリスクと呼ばれます。
このパターンで潰れる会社の多くは、社長自身がお人好しで人を信じすぎる傾向が強いです。
例えば、社員を信頼してお金の管理を100%任せてしまう。という場合です。
リスク管理の観点でいえば「人は必ずミスを犯す」「人は魔が差すことがある」んです。経営陣の役割は、些細なミスではなく致命的なミスを犯さないような仕組みを作ること。それと魔が差したとしても持ち逃げや横領が起こりえないチェック体制を持っておくことです。
もちろん管理を厳密にしすぎてしまえば、社員のモチベーションが低下してしまう可能性がありますので、大切なことは「致命的な」部分のチェックに力点をおいておくということです。
ベンチャー企業なんかに多いパターンです。イケイケドンドンで事業を拡大し、潰れるケースです。
この場合に大切なことは、客観的なアドバイザーを社内に持てるかどうか?にかかってきます。経営者といえども人ですから、うまくいけば天狗になることもあるでしょう。でもそういう時に、ブレーキ役がいるかどうかはとても大切です。
暴走が始まってからではアドバイザーを得ることは難しいため、創業時にブレーキ役になってくれる人材に相応の権限を与えて、いざというときの抑えになるようにしておくことが重要でしょう。
松下幸之助には“松下の大番頭”と呼ばれた高橋荒太郎がいました。
本田宗一郎には、藤沢武夫氏。
そういう暴走を止める役割の縁の下の力持ちが必要です。
過去の成功体験に縛られてしまうケースです。大手老舗企業によくあるパターンですが、客層が固定化し時代の変化についていけなくなってしまいます。
しかも過去の成功体験を強く持っている経営者は、周囲からの進言を聞かなくなり、自分自身の心地の良い意見のみを受け入れるようになります。結果、自らの企業の品質が落ちていることに気がつくことができなくなり後戻りできなくなっていきます。
対策は、多様な価値観をもつ人たちとの交流や意見交換を欠かさないことでしょう。外部にアドバイザーをもち、業界外の意見やアイデア、発想を取り入れる意識を常に持ち続けることです。
起業というテーマの場合、成功事例にばかり目が行きがちですが、成功事例には再現性はありません。そのほとんどはその経営者だからできたこと。その環境だからタマタマできたこと。が多いです。
その成功事例を、自分たちがやろうとしても実際にうまくいく可能性は非常に低いわけです。
それよりも失敗事例(潰れる会社の条件)はすべての企業に当てはまるものです。上記の4つのリスクを常に意識し続けることで不測の事態を防ぐことにつながっていきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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今日は綾瀬市商工会主催のあやせ創業スクールの4日目(2日目が台風の影響で延期になったので今日が4日目)!
こちらでセミナー準備中!
テーマはホームページやブログ、SNS活用となります!
「やろうとしているんだけど」
「昔やったんだけど」
「本当に効果あるの?」
「忙しくてやりたくてもできないんです」
「みんなどうやってるんですか?」
「気持ちだけはあるんです!」
と私がアドバイスすると上記のように話を切り返してくる方が多いです。
そういう方には一言。
「じゃあ好きになされたら良いですね。」とさーっと逃げます。
こういう方々と関わっていると、自分自身もそういう病気に冒されそうになってしまいます。
本当に事業(経営)をしっかりやっている経営者の中には、上のどの言葉も一切出てきません。
しかも確実に、あなたよりたくさん仕事をして、たくさん遊んで、活動量は多い人達です。
そういう方でも一切言い訳を言わずに、やるべきことを淡々とこなしています。
残念ながら、言い訳を口癖にしている人は起業には向いていないと言わざる得ないです。
世の中は、自分の都合の良いように動いているわけではありません。
ましてや事業をはじめたばかりなんていうのは、たくさんの理不尽とたくさんの想定外とたくさんの裏切りの中に晒され、その中に、ほんの少しだけ嬉しい出来事が起こるくらいのもんです。
でもそのほんの少しだけ嬉しい出来事を積み重ねて大きな事業へ展開していくんです。
たくさんのマイナスに影響を受けずに、ほんの少しの幸せに目を向けられる人が起業して成功する人です。
まだ何も動いていない段階で、言い訳をしている時点でやっぱり問題ありです。
私自身はもともとかなりネガティブな人間です。
普通のサラリーマン時代には、人一倍ネガティブで、上記のような言葉を率先して発していたタイプかも知れません。
しかし思考を変えることは十分に可能です。
それは環境を変えるということです。
周囲に愚痴ばかり言う人がいれば、当然、自分自身も愚痴っぽくなっていきます。
だからそういう環境から離れることで、思考を変えることは十分に可能なのです。
私自身も、そういう環境から離れることで自分自身のマイナス面を徐々に修正していくことができました。
だからこそそういう話をされる方の近くにいると、昔の自分に戻ってしまいそうになるのでさっと離れるようにしています。
思考を変えることは可能ですが、何かのキッカケで元の思考に戻ることはありえるんです。
言い訳は一切封印し、まずは行動していきましょう。そこからしか何も始まりません。
]]>今日の夜は山形でこんなセミナーをさせていただきます。
山形県の若者が集まり創業者となるためのセミナーです。
今日はそのプレセミナーということで1時間の登壇となります。
10年以上創業塾や創業セミナーの講師をしていますが、思うところがあります。
それは「創業のハードル上げているのは大人たち」ってことです。
中小企業診断士(私を含む)や金融機関、商工会や商工会議所は、創業者のビジネスプランの重箱の隅を突くことで創業者のハードルを高めている可能性がある。
もちろん数千万円規模の投資が必要となるような創業ビジネスについては、私も厳しくアドバイスをします。
しかし、数百万円規模の創業に対して、そんなビジネスプランでは成功しない。もっと市場調査をしなさい。創業はそんなに甘くないんだ。などとアドバイスという名の自己満足アドバイスが飛び出すわけです。
【リスクが高い】なんて誰にでも言えます。逆にリスクのない事業があるのか?
【もっと考えなさい】いやいや。考えた上でアドバイス求めているんではないの?ヒントくらいあげたら?
【それはよく分からないね】理解する努力しようよ。
【そのビジネスプランじゃ難しいよ】どこの部分?
【やめときな】投げやり過ぎ
【もっと検討したほうが良いよ】何を?
正直に言えば、数百万円の失敗は本気で覚悟すれば取り返すことは可能です。
そして最も大切なことが、失敗せずに成功した人は、長期的にみると失敗する可能性が高まるというデータ(海外の経営分析論には出てきます)があるということ。
たしかに失敗しないのが一番なのかも知れません。
しかし失敗からしか人は学ぶことはできません。そしてそれは本人が体験するしか手がないんです。
私の場合はこう考えます。
もし仮に失敗しそうなビジネスだと思った時に、もっとも失敗した時にリスクが少ない方法を提案します。
「創業自体をやめたほうが良いよ」というアドバイスをする方もいるようですが、それはアドバイスした側自身の責任回避としか思えない発言です。では100%創業が失敗するのか?その失敗の後に成功する可能性はないのか?(今成功している経営者って一度は大きく事業で失敗しているケースは多いです)。
創業を止めるということは、その先に待っているかも知れない可能性を、他人が引き抜いているだけ。
人は権威(偉そうな人や知識人)の意見を聞いてしまうものです。中小企業診断士などの専門家がアドバイスすれば気持ちが揺らぐのはあたりまえ。
ですので私の場合、創業のリスクとメリット、そして、最もリスクの低い創業の方法をアドバイスするに留めます。
「やったほうが良い」とか「やめたほうが良い」という判断(決断)は一切匂わせないようにしています。
そうやって創業したい人にとって必要な情報を伝えます。
創業希望者の最初の決断は、創業するか?創業を思い留まるか?を選ぶことだと思っています。
その決断を、他者が手伝って絶対にいけないんです。
決断することが経営者の仕事。
決断しやすいように整えるのが私たちの仕事なんです。
事業の主体はあくまでも本人。
そして事業を成功に導くのも、失敗させるのもひとえに経営者の手腕にかかっています。
ビジネスプランだけで成否が決まるものではないということを日々念頭に置いてコンサルや創業塾をさせてもらっています。
昨日は高崎商工会議所主催の創業塾最終日でした。
最終日はビジネスプランの発表会。みなさんのビジネスプラン(ビジネスモデル)を聞かせていただきましたが、初日と比べると雲泥の差。とっても練られたビジネスモデルばかりで嬉しくてちょっと泣きそうになりました。
自分は自分で良いんだ!という考え方はあると思います。人と比較することに意味はないんだよ!って色々な人は言います。
とっても自分を安心させてくれる言葉ですよね。
でも安心できる言葉ってのはとても危険です。
良く考えてほしいのですが、周囲をみないで自分だけで考えると「自分の立ち位置が見えなく」なりやすいんです。
言葉を変えると「独りよがり」になりやすい。
今、老舗と呼ばれる地域の飲食店がどんどん潰れています。老舗の味にこだわりすぎて、自分の味が変わっていることに気が付けなくなるようです。周囲のお店の味がどんどん美味しくなっていることに気が付けなくなります。徐々にお客が減り始め、気がついたら老舗っていうブランドだけで、味はイマイチ状態になってしまうんです。
「最近あそこの店、味落ちたよね〜。新しくできたあのお店のほうが美味しいかも!」って声を良く聞きます。常に味を研究しているお店と、昔ながらの味に固執し続ける老舗。
お客様は、絶対評価ではなく、相対評価で味を判断します。
他人と比べるからこそ、自分の良さが浮き上がってくるんです。世の中にまったく存在しない仕事で、その仕事を一から生み出すようなビジネスであれば競合はいないので比べる必要はないのかもしれません(厳密には違うけど)。
強みっていうものは、相対評価なんです。
お客様は、隣のお店とあなたのお店を比較することで、はじめてそのお店の強みを感じ取ることができるんです。
今回の高崎商工会議所の創業塾では、受講者同士の対話と討議を徹底的に行いました。人と話すことで、自分自身のビジネスモデルの立ち位置が見えてきた方がいると思います。まだまだ検討を深めなくてはならないビジネスモデルだってことがはじめて見えてくる。見えてくれば修正すれば良いだけです。
ビジネスプラン(ビジネスモデル)の優劣が商売の成功と失敗を決めるのではなく、事業を始めてからが勝負なんです。そういう意味では、自分自身の課題が明確になったことそのものがとても価値のあることです。
自分だけで考えるのではなく、周囲をしっかり見ながら、自分の現在の立ち位置を確認しましょう。あとは改善するだけです。何もわからないまま独りよがりで終わっていたほうが怖いです。
おそれずにどんどんと比較されましょう!!
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