今日は倉敷商工会議所でSNS︎動画作成セミナーの最終日です。
世界は「波打っている」といえます。
景気の波。
個人のバイオリズムの波。
株価の波。
業績の波。
すべては一直線で伸びたり、落ちたりすることはないということです。
必ず上下の波を繰り返しながら、ある方向へ向かっていきます。
その波の傾向が上向きであれば、業績は上向いていきますし、下向き傾向であれば落ちていきます。
その波を読めるかどうかが経営者としての資質のひとつと言えます。
これを「時代を読む」ということです。
時代の変化に対応する、というのは、波が下降している時にいち早く上向きに転換できる能力のことです。
経営者の最大の仕事は、下降傾向にある波をいち早く上向きに転換させることです。
はやく上向きに転換できれば、同じループであるならば波の傾向は上向きに変わっていきます。
一度上向きの波に変えることができれば、そこからは自然と上向きループに入っていくんですね。
落ちている時こそ、時代に合わせるチャンスでもあるんです。
落ちている=時代とずれている。
だからそのズレを修正することで、時代にあったビジネスへの転換が可能となりえます。
人はどうしても過去の栄光にすがりたくな習性を持っています。
一度手に入れた栄光を手放すのは人としてとても怖いことです。
それが、「事業承継」においては「後継者へ譲りたくない」という権力への依存などへもつながります。
また今話題のNISSANのカルロスゴーンの一件でも見えてきます。
一度手に入れた成功は手放したくない。
あれほどの人物でもああだったわけです。
わたしがコンサルティングをしている中で、安定的に業績を伸ばしている企業は、好調な時ほど次の手を打ち続けているということです。
好調=忙しい。
ですが、業績好調な企業ほど、目先の忙しさにかまけて日々の業務に終始せず、将来の種まきを並行してしています。
逆に「忙しい」と日々嘆いている企業は、将来の種まきを疎かにしてしまいがちですし、結果として企業は業績にムラが出やすくなります。
その忙しさはいつまでも続くものではありません。
好調の次は、不調がやってくるんです。
バブルのような錯覚に陥っている企業はいまだに多い。
ですから調子の良い時に、不調時に向けた対策を打っておくことがとても大切となります。
そして好調時に打つ手と不調時に打つ手では、そもそもの本質が違います。
好調な時に打った手は、「長期的な視野に立った次の波を捉えるための前向きな手」となることが多い。
逆に不調な時に打った手は「短期的でとりあえずのその場しのぎで後ろ向きな手」となることが多いです。
次の波をつかまえるための手なのか、とりあえず泥沼から抜け出すための手なのか。
余裕がある時にしか、長期的な視野に立った手は打てません。
ですから、ぜひとも好調な時にこそ、将来に向けた種まきを重視してください。
昨日はYAMAGATAビジネス博「若者創業者育成キャンプ」の初日講師としてお話しさせていただきました。
これから創業したいと考えている若者たち(気持ち若者も含む)20数名の方々に失敗しない創業について3時間お話してきましたよ。
失敗しない創業をお話するには、逆に、失敗する4つの類型を学んでいくことってとても大切です。
では潰れる会社の4つの条件とはなんでしょうか?
これは地震など自社の外でおこるリスクのことです。このリスク自体の回避はとてもむずかしいですが対策はあります。
それはリスクを分散しておくことです。
例えば、店舗だけをもしやっていたら?地震などで営業できなくなったら終わりです。ですからネットショップや催事販売など複数の売り方を持っておくことで、どこかの売り方が駄目になってもほかで耐え抜くことができます。
それは取引先なんかも同じですね。少数の取引先とだけ商売をしていればそれだけリスクは大きくなります。
今の時代はどんな外部要因にさらされるか分かりません。ですからリスク分散は必須でしょう。
次に起こり得るのが、社内の不正やトラブルがキッカケとなって潰れるリスクです。いわゆるガバナンスリスクと呼ばれます。
このパターンで潰れる会社の多くは、社長自身がお人好しで人を信じすぎる傾向が強いです。
例えば、社員を信頼してお金の管理を100%任せてしまう。という場合です。
リスク管理の観点でいえば「人は必ずミスを犯す」「人は魔が差すことがある」んです。経営陣の役割は、些細なミスではなく致命的なミスを犯さないような仕組みを作ること。それと魔が差したとしても持ち逃げや横領が起こりえないチェック体制を持っておくことです。
もちろん管理を厳密にしすぎてしまえば、社員のモチベーションが低下してしまう可能性がありますので、大切なことは「致命的な」部分のチェックに力点をおいておくということです。
ベンチャー企業なんかに多いパターンです。イケイケドンドンで事業を拡大し、潰れるケースです。
この場合に大切なことは、客観的なアドバイザーを社内に持てるかどうか?にかかってきます。経営者といえども人ですから、うまくいけば天狗になることもあるでしょう。でもそういう時に、ブレーキ役がいるかどうかはとても大切です。
暴走が始まってからではアドバイザーを得ることは難しいため、創業時にブレーキ役になってくれる人材に相応の権限を与えて、いざというときの抑えになるようにしておくことが重要でしょう。
松下幸之助には“松下の大番頭”と呼ばれた高橋荒太郎がいました。
本田宗一郎には、藤沢武夫氏。
そういう暴走を止める役割の縁の下の力持ちが必要です。
過去の成功体験に縛られてしまうケースです。大手老舗企業によくあるパターンですが、客層が固定化し時代の変化についていけなくなってしまいます。
しかも過去の成功体験を強く持っている経営者は、周囲からの進言を聞かなくなり、自分自身の心地の良い意見のみを受け入れるようになります。結果、自らの企業の品質が落ちていることに気がつくことができなくなり後戻りできなくなっていきます。
対策は、多様な価値観をもつ人たちとの交流や意見交換を欠かさないことでしょう。外部にアドバイザーをもち、業界外の意見やアイデア、発想を取り入れる意識を常に持ち続けることです。
起業というテーマの場合、成功事例にばかり目が行きがちですが、成功事例には再現性はありません。そのほとんどはその経営者だからできたこと。その環境だからタマタマできたこと。が多いです。
その成功事例を、自分たちがやろうとしても実際にうまくいく可能性は非常に低いわけです。
それよりも失敗事例(潰れる会社の条件)はすべての企業に当てはまるものです。上記の4つのリスクを常に意識し続けることで不測の事態を防ぐことにつながっていきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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