昨日に引き続いて事業承継のお話しです。
後継者として、思うように物事が進まないようなことはたくさんあるのではないでしょうか。
そんなときは「徳川吉宗方式」をおすすめします。
徳川吉宗は江戸幕府第八代将軍。
七代将軍の徳川家継の死によって、御三家として初の養子からの将軍となった人です。
しかも御三家の中でも尾張家を抑えて紀州徳川家からの抜擢です。
当然、徳川吉宗はとても立場の弱い将軍だったはずです。
そんな徳川吉宗が享保の改革を実行するにあたって実施したのが「漸進法(ぜんしんほう)」と呼ばれる方法です。
何かをスタートさせるにあたって大切なことは、先代や先代の番頭社員と衝突することではなく、周囲を上手く活用しつつ自分自身の意見に誘導していく力です。
そのためには、一気に変えるのではなく、徐々に変えていくことも時には必要であるということです。
とくに自分自身の立場が弱い状況ではとくにそのあたりを意識しておく必要があります。
弱い立場で将軍となった徳川吉宗は、側近政治が当たり前だった時代において、自らの側近は少人数だけ、残りは、たまたま当番だった者をそのまま連れてきたことで、反感を抱いていた譜代大名や旗本から好感を得ることに成功したのです。
これと同じように、立場の弱い後継者としては、自分がやりたいことをストレートに突き進めようとしたいという思いがあっても少しだけ立ち止まってみましょう。
この方法を取らずに状況を悪化させてしまったのが「貴乃花親方」の一件です。日本相撲協会に対して、ストレートに物言いをした結果として徐々に窮地に追い込まれていってしまいました。どんなに志が高くとも、成し遂げるために必要なのであれば、上を上手く活用する強かさも時には必要となるのです。
そういう点で、なし崩し的に物事を進めていく斬新法は後継者にはぜひとも覚えておいてほしい方法です。
このような前置きは重要なポイントです。
テストケースである旨を相手に伝えながら、既成事実を作っていくことでまずは第一歩を踏み出していきましょう。
徐々に浸透させていくことで新たな取り組みに対する抵抗感が小さくなっていきます。
ぜひお試しください。
]]>昨日は愛知県の津島商工会議所で事業承継セミナーをさせていただきました!
少人数ではありましたが、2時間みっちりとお話しさせていただきましたよ。
事業承継は早めに行った方が良いと言われますがなぜでしょうか?
それは「勘」の承継が必要だからです。
ユダヤ商法と言われるユダヤ人や、華僑の世界では、後継者を選んだら資産など以上に最重要にしているものがあるそうです。
それは「ルールの継承」だそうです。
言い換えると、帝王学です。
資産などはルールの継承=帝王学さえ継承できれば、生み出すことも増やすことも容易いです。しかしルールの継承ができない場合、せっかく残した資産もあっという間に目減りしていってしまいます。
そういう意味でも、商売の世界では、目に見える資産ではなく、目に見えてこない帝王学の承継を最優先にするんです。
では帝王学とは一体なんなのか?
この帝王学こそ「勘」です。
経営者にとっての最大の仕事は、決断することです。
経営者が決断しなければ事業は前に進んでいきません。
また決断の内容によって、会社の危機を呼び込むことも、チャンスに変えることもできます。
日々の決断をし続けることこそが経営者にとって最重要の仕事です。
そしてその決断という仕事が厄介です。
どこまでいっても最後は「直感」で決めるしかないということです。
100%読み切れる決断というものは存在しません。
不確定要素の中から決断するのですから、最後は感に頼らざる得ないのです。
そういう意味でも、可能な限り正しい選択につながる勘の働かせ方が大切なんです。
勘を磨くには、失敗が欠かせません。
失敗することで学習します。
学習したものを、次の決断で試しながら勘の力を磨いていくんです。
ここで大切なことは「勘は衰える」ということです。
時代背景や判断能力の低下などで、歳をとればそれだけ勘が鈍ってくるんですね。
早く継がせる意味はここにあるんです。
早く後継者に経営を委ねたうえで、当面の間、先代社長は後継者の横につきながら勘の働かせ方を実地で習得させる必要があります。
後継者には意図的に失敗させることが大切です。
その失敗を教訓にして、判断ポイントを学ばせるんです。
経営者の勘が冴えている歳にできるだけ、後継者に勘=帝王学を学ばせることで次の世代への引き継ぎがスムーズに進むわけです。
日本では資産などの承継ばかりがクローズアップされています。
しかし、本当に引き継がなければならないのは「勘」なんです。
事業承継セミナーなどを全国で行っていますが、そのほとんどが手続き面や事業承継計画の作り方ばかりです。
これはこれで重要ですが、未来にわたって事業を継続させるのは経営者の能力向上しかありません。
せっかく、先代社長が培ってきた「勘」の力。
失っては勿体無さすぎますよ。
ぜひともそういうセミナーも開いて欲しいと願っています。
昨日は能代商工会議所で事業計画策定支援セミナーの講師としてお話しさせていただきました!
3年目の能代ですがはじめて雪が積もっていない時期にお伺いさせていただきました。
受講者は6名と少人数でしたが、事業承継を念頭においた事業の作り方について具体的な事例を交えつつ意見交換しながらの口座となりました。こういう講座も良いですね!!
今日は秋田から移動して高崎商工会議所の創業塾です。
昨日は事業承継に関するセミナーだったわけですが、事業承継にあたって大切なことは帝王学の引き継ぎを最優先にしなければならないということです。
華僑やユダヤの商法などは、事業承継する際にもっとも重視するのは「ルールの承継」であると色々なところで書かれています。「ルールの継承=儲けのルール」。もちろん資産や株、顧客などの引き継ぎは確かに大切なことではあります。
しかし私も同様なのですが、資産や株、顧客などを引き継いだとしても経営者としての帝王学=儲けのルールが継承されなければ引き継いだものを維持することも増やすことも難しくなります。
事業承継セミナーが全国各地で行われていますが、その多くは資産や株などの話が多いのですが本当に学ばなければならないのは帝王学です。
では帝王学とは一体何なのでしょうか?
帝王学とは、商売の勘のようなものだと考えています。商売は理論理屈で説明しきれないものです。理論で商売繁盛するのであれば誰でも成功できますが、会社は潰れますし道を外します。これは理論理屈では説明しきれないものです。
帝王学とは、理論理屈で説明しきれない勘の部分を引き継ぐこと。そしてその勘が最も発揮されるのは「決断」するときではないでしょうか。
経営者は決断することが仕事です。
そして日々の決断において、100%確実な決断が毎回できるわけではありません。エイヤと右に行くか左に行くかを決めないとならないケースも多い。
そういう時に、勘に頼る部分は少なからずあります。
こういうときにどんな決断をすべきなのか?それこそが帝王学でありルールの継承なのです。
そして事業承継において最も時間がかかるのが、この部分。候補者に失敗させながら、時間をかけて帝王学を引き継がなければならないんです。
だからこそ早めの承継が大切なんです。
そういう話を全国でさせて頂いています。
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