先週は岩手県奥州商工会議で新入社員研修。神奈川県大和商工会議所でも新入社員研修と、新入社員研修ウィークでした。
毎年、新入社員研修を担当させていただいておりますし、当社でも多くの新入社員研修のお問い合わせをいただきました。
その中で何度か要望されたものが、形だけの知識を教えるものではなく、新入社員自らがやる気を持てるようなものにして欲しいというご要望です。
気になってTwitterで「新入社員研修」や「新人研修」と検索してみると、
寝る自信しかない。面倒くさい。新入社員研修中に転職サイトを見ている。などなど盛大にネガティブワードが並んでいます。
講師の方も比較的年配の方も多いようで、「1日中講義形式で眠くなってしまう。」
「仕事に役立つ内容に思えない。」「話している講師自身が内容を理解していないように感じる。」
「そもそも講師がビジネスマナーができていない」などの感想もちらほら見えてきます。
時代は大きく変わっています。
「とにかく言うとおりにやれば良いんだ。」という発想の研修はもはや時代遅れですし、そういう新入社員研修であるならば、そもそも今後不要になっていくのではないでしょうか。
そういう流れの中で、当社に対して、従来とは異なる実務に役立つような内容をやってほしいとオファーを頂くんです。
厳しい時代の中で、企業は新入社員を採用しています。
たんなる人員補充であれば、本来ならば、即戦力としての中途採用で充分なはずです。それでも企業の風通しを良くするために新入社員を採用して、わざわざ研修を受けてもらうわけです。
なのにモチベーションを低下させるような新入社員研修を行っている企業が未だに一定数いるということ。
フレッシュマンなのに、フレッシュさを失わせるような新入社員研修に嫌気をさしている状況になっています。
新入社員研修で必要なことは「理由」です。
一昔前のように、理由を説明せずに一方的に挨拶やお辞儀の練習を繰り返させるだけの研修では新入社員は動きません。
なぜそれが必要なのか?を講師自らの言葉で伝えなければならないんです。
どうしてビジネスマナーが必要なのか?
どうして新入社員研修を受ける必要があるのか?
どうして中途採用ではなく、新入社員を入社させているのか?
どうして敬語が必要なのか?
これを講師自らの言葉で新入社員に理解してもらうことが重要。
にもかかわらず、理由を伝えずに「常識だから」という一言で片付けます。
必ず今「理由」が必要なんです。
そしてもうひとつ。
「思考力の訓練」が必要です。
私の新入社員研修では、優先順位の付け方たタイムマネジメント、リスクマネジメントなど、忙しい時代に必要な実務演習を多く取り入れています。
働き方改革に対応するためには、優先順位の付け方やタイムマネジメントをいまから学んでおくことが必要です。
次に、Twitterなどの炎上動画などのコンプライアンス違反や様々な意図しないリスクへの対応です。社会人として新米である新入社員は、無意識でこれらを違反したりリスクを引き寄せてしまう可能性があります。ですから新入社員研修では、SNSコンプライアンスやリスクマネジメントやリスクを回避するための方法をワークを通じながら学んでいただきます。
最後に、インバスケット演習や面接演習などの、人材アセスメント手法をつかった思考力やコミニュケーション力を高める実践プログラムの導入です。
インバスケット演習では、課題に対してどのように対応していくのか?を受講者自らが学びながら実践力を磨いていきます。
面接演習では、上司と部下に役割を分けて上司の立場を理解してもらうような内容を実施します。
まだまだ細かな内容があるのですが、形だけ教える新入社員研修はそろそろ終わりにしたほうが良いです。
実践的かつ10年後も社会人として通用するような内容を教えていくことが今後重要となっていきます。
6月には新入社員フォローアップ研修などもあります。
いまからでも遅くはないです。
研修担当者は、新入社員フォローアップ研修ではより実践的な内容を実施するようにしてみてください。
新入社員を即戦力に変えられるかどうかは初期の教育にかかってきています。
ぜひ時代に合わせて内容をアレンジしていってください。
]]>今週は新入社員研修ウィークです。
明日、明後日は、岩手県の奥州商工会議所で新入社員研修。
木曜日、金曜日は、神奈川県の大和商工会議所で新入社員検修です。
ということで今週は、ブログ更新があまりできないと思います。
「いまどきの若者は」という愚痴は、はるか昔の平安時代から言われていたそうです。平安時代の書物にも「いまどきの若者の気持ちはわからない」という表現があったそうです。
いつの時代も自分自身が育ってきた環境や風土を基準にして、物事を判断していくものです。
そしてそれは長年経験を積んだ年長者のほうが強い確固とした判断基準を持っているものです。
社会というのはこういうものである。
新入社員とはこういうものである。
上司に対する接し方はこうでなければならない。
上司から誘われたら断ってはならない。
いまどきの若者は向上心がない。
いまどきの若者は探究心がない。
色々と固定概念を持って若者を見ているようです。
そしてその構図は、平安時代から変わっていないのだとしたら、いつの時代でも起こりうることで普遍性のあるものなのかも知れません。
逆に考えれば、年長者がそのように言うからこそ、若者は時代を変えようと奮起してるのかも知れません。そして新しい時代を作っていくのかも知れません。
とは言っても、自分自身の価値観を絶対視するのではなく、いまどきの若者が何を考えているのか?を丁寧に理解してみることはとても大切です。
価値観が全く異なっていると言うことを理解することで、より良い社会人生活を送ることができます。
①達成タイプ
②快楽タイプ
③貢献タイプ
④調整タイプ
⑤没頭タイプ
この5つに分かれると言われています。
①の達成タイプは昇進や昇級などの上昇志向のことです。
②の快楽タイプは高級マンションに住みたい、高級車に乗りたいなど、なにかを手に入れたいという欲求のことです。
③の貢献タイプとは、地域社会のために役立つ仕事がしたい。と言った社会貢献に重きをおくタイプの欲求です。
④の調整タイプは、仲間と協調しながら楽しくやっていきたいというスタイルの欲求。
最後の⑤没頭タイプとは、自分の好きなことをとことん追求したいというスタイルです。
そして、①②は年長者に多いモチベーションで、③④⑤が今の若者が重視するモチベーションなのです。
①「もっと上を目指したくないのか?」
②「なにか欲しいものはないのか?」
こんな発想を新入社員に問いかけても、
「別にないっす。」「上に行って責任増やしたくないっす。」
と言われるのがオチです。
③「うちは地域の◯◯に喜ばれていて欠かせない存在なんだ。」
④「メンバー同士で考えてひとつのものを作り上げていこう。」
⑤「きみの得意分野を活かしていこう。」
こういう風な言葉が、今の若者にとって必要な価値観なんです。
例えば、人材不足と言われる中で、人が集まる業界とそうでない業界があります。
人が集まってくる業界には、③④⑤の切り口で組織変革が起こっています。
逆に、人が集まりにくい業界には、従来型の①②の切り口のケースが多いんです。
明日からはじまる新入社員研修ですが、従来型の研修には限界があります。
時代に合わせた切り口が必要となってくるんです。
もちろんいつの時代も、自分と違う世代の気持ちはなかなかわからないものではありますが、その状況を諦めてしまうのではなく、何とかしようと考えることが年長者の役割ではないでしょうか。
]]>明日から山形県の酒田商工会議所で新入社員研修なので今日は酒田移動です!
わたしにももちろん社会人1年目がありました。
大学を卒業して、ブラック営業会社に入社したのですが、その会社は新卒採用1年目。
「将来の幹部は君だ!」という触れ込みにのって入社しました。
新卒採用1年目ということで、実は研修なども比較的しっかりしてもらった印象があります。
泊まり込みで新入社員研修。
今考えると非常に一般的な研修だったように思います。
その後、営業に配属されましたがおかげさまでブラック企業にもかかわらず、直属の上司は非常に物腰柔らかい人間としても尊敬できる方でした。
その人から社会人としての考えを教えてもらったわけですが、正直、今でもその時の価値観が仕事の基準になっているんです。
1年目で受けた新入社員研修。
1年目に配属された部署の上司。
最初に勤めた会社。
「はじめて」の影響というものは、思っている以上に大きいものです。
はじめがすべての基準になります。
それを基準にして、その後の判断をしていく傾向があります。
だからこそ新入社員のみなさんは、1年目の生き方ってとっても大切なんだ、ってお伝えするんです。
と言っても当然、新入社員のみなさんはなかなか実感することはできません。
でもそれで良いんですね。
後になって振り返ると、多くの人がそう感じるはずです。
はじめての教えが、その後の人生に大きな影響を与えるって。
だからこそわたしの新入社員研修は、ただビジネスマナーを教えるだけで終わりたくないんですね。
社会人として、強く、柔らかく、生き抜いていけるような考え方を身につけてもらいたい。
形だけの新入社員研修なんてやっても意味はない。
数年後に社会人として強く生き抜ける。そういうすべてをお伝えしに行くんです。
ですから、新入社員に対して教育する立場の人たちの責任も非常に大きいわけです。
なんとなくではなく、その人の人生の基準を作るわけです。
本当に大切で、重要な役割を担っているのだとどこまで認識しているのかわからない上司も多いです。
もう一度、新入社員に対する教育を見つめ直してみてください。
若い奴の気持ちが分からない。ではなく、若い奴の気持ちを分かろうと努力してください。
世代が違うんだから、あなたの方が何年も社会経験を積んでいるんだから、上司から下に降りて気持ちを理解してあげてください。
そのうえで対等に彼らの将来のために生き抜ける価値基準を教えてあげてください。
そう言うことを話しに行ってきます。
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